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〜Mint Candy Story〜

第10章 -理想-(火神大我)*★


火神
「なんだよ?
オレ、腹減ってんだよ。」


今日は少し肌寒いからか、
屋上は誰もいなかった。


みつば
「だから…これ…。」


火神
「ん?なんだ…?」


篠崎がでかい紙袋を渡してきた。


みつば
「お…おなか空いてるんでしょ⁈
お弁当…食べれば?」


火神
「弁当っ⁈」


紙袋を覗き込むと、
でかい弁当箱が入っていた。
オレはすぐに取り出して、
弁当箱の蓋を開けた。


みつば
「えっと…
火神…料理得意みたいだけど…
お昼いつも購買だし…」


火神
「…すげぇっ。
これ、食っていいのか?」


みつば
「うん。」


火神
「いただきますっ!」


オレは一気に食べた。
不恰好なのもあったが、
どれも美味しかった。


火神
「うめーっ!!
おまえ、料理できんじゃんか。」


みつば
「か…かんなに教えてもらったの。
わたしも…少しくらい…
火神のために女の子っぽいこと…
したいもん。」


火神
「は…?」


か…可愛い。


思わず食べていたウインナーを
ポロリと弁当箱に落としてしまった。


みつば
「あっ。その…。呆れないでよ。」


オレは弁当箱を置いて、
篠崎をギューッと抱きしめた。


火神
「じゅ…十分女らしいだろ。
つか、可愛いこと言うな。
可愛すぎて離したくなくなる…。」


みつば
「え…?」


火神
「みつば…好きだ。」


……チュ。


みつば
「か…がみ⁈今…っ⁇」


火神
「し…したくなったんだよ。
おまえが可愛いから。
つか…おまえ、
いつまで火神って呼ぶんだよ?」


みつば
「え…?」


火神
「オレら、付き合ってんだろ⁈」


みつば
「でも、下の名前で呼んだら、
”バ火神”って呼べなくなっちゃう。」


ギュッとオレに抱きついてきて、
クスクス笑いながらみつばが言う。


火神
「バッ…⁈おまえ、いい加減に…」


みつば
「大我っ!」


火神
「は…っ⁈あ…っ。」


みつば
「大我、大好きだよ。」


こいつはなんでいつもこうなんだ⁈
突然可愛いことを言う。
オレは照れてるのを隠したくて、
残りの弁当を一気に食べた。


理想の女…おしとやかな女っての…
撤回だな。

オレの理想の女は…みつばだ。



---End---




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