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〜Mint Candy Story〜

第10章 -理想-(火神大我)*★


-現在-(みつばside)


「かんな〜…どうしよう…わたし…。」


週末、わたしは昼間から
かんなの家に入り浸っていて、
ずっと同じことを繰り返し話していた。
それを嫌がらず、根気強く聞いてくれる
かんなに感謝だ…。


あれから2週間…火神とは話せてない。
”あれから”っていうのは、
バスケ部が秀徳と練習試合をした日…
清志くんに火神と付き合ってるって
言っちゃった日…
火神の家で1人でムカムカして、
怒って帰っちゃった日…。


「火神くんにちゃんと言ったら?
”好き”って。」


「そんな簡単に言えるなら、
こんなに悩まないよー。
火神は、わたしが清志くんのこと
好きだったの知ってるし…。
それもついこないだだよ?」


火神を避けまくってたことは、
かんなにはすぐにバレてしまい、
これまでのことをすべて話していた。
半分強制的だったけど…。


「でも、好きなんでしょ?」


「それは…。
なんで、よりによって火神なんだろ…
バ火神のくせに…」


口ではそう言ったけど、
偶然とはいえ、辛い時に一緒にいて、
火神の優しさに救われた。
いつのまにかわたしの心の中には
火神がいっぱいいた。


「嫌い嫌いも好きのうち…だね。」


「そうなの…かなぁ…。
でも、わたし、本当に勘違いして…。
彼女かって感じで、
メチャクチャ言っちゃって…」


火神だって呆れてるにきまってる。
”付き合ってる”って
あの場をやり過ごすために
合わせてくれただけなのに…。
わたし、彼女気取り…⁈
…恥ずかしい。


「でも、火神くん、
彼女いなかったんだし…。」


「だから、余計恥ずかしいんだよ…」


かんなが黒子くんに聞いてくれて、
火神の身の潔白は晴れていた。
別に火神は何もしてないんだけど…。
グラマラスなアメリカ人は、
たしかに女だったけど、
火神のバスケの師匠で、
火神とは本当に何もないらしい。


「しかも、火神の好みって、
わたしと真逆だし…。」


前におしとやかな人がいいって
言ってた気がする。
その時、かんなかな…って、少し思った。


「理想と現実は違うんじゃない?
飲み物なくなっちゃったね。
紅茶でいい?」


「あ…うん。ありがと。」

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