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〜Mint Candy Story〜

第2章 -百合-(氷室辰也)★


そもそも、
なぜ電車に乗っていたかというと、
今日の部活後まで
戻らなければならない。



・・・・・・



PM6:00



「氷室〜!
お前、仲村先生のトコ行ってこい。」


部活後、
自主練していこうとしていたのだが、
監督に声を掛けられた。



「仲村先生…?」


そんな教師、ウチにいたか…?



「あぁ。氷室はまだ会うてなかったな。
この辺では有名な
スポーツマッサージの先生じゃ。
隣町でマッサージ店をしてるんじゃ。」


横で自主練の準備を始めていた
主将が言う。


「他にも湿布とか包帯とかな、
仲村先生から注文してるから、
それを受け取ってきてくれないか?
で、ついでに挨拶してこい。
お前はレギュラーだし、
これから世話になるからな。」


「室ちん、電車あんま乗らないし、
ちょーどいーんじゃなーい?
あーおなかすいたー。
オレ、先に帰るねー。」



アツシは自主練はせずに、先にあがってしまったが、
たしかにアツシの言う通り、
電車もあまり乗る機会がないし、
いい気分転換にもなるだろう。


「わかりました。行ってきます。」


オレはそこへの行き方を聞いて、
学校を出た。



寮へ連絡して、
門限に間に合わないかもしれないと
忘れずに伝えておく。


よっぽど迷わない限り、
門限なんて余裕のはずだが、
堂々と門限を破れる時くらいは、
きちんと正攻法で言っておく。



・・・・・・



寮へ連絡しておいたのは、正解だったな。


まさか、久しぶりに乗った電車で、
こんなことに遭遇すると思って、
連絡しといたわけではなかったんだが。


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