第9章 -安心-(木吉鉄平)*
-another side-
〜火神大我〜
プール練で木吉先輩が
すみれさんを連れ去って、
皆ザワザワしたままだった。
「カントク〜!木吉、探してくるか?」
「えっ?なんでー?
いいじゃない♡日向くん、お邪魔虫よ♡
さ、練習練習♪」
つか、日向先輩は
木吉先輩がいなくなって焦ってるのに、
カントクはなんで楽しそうなんだ?
「すみれいねーなら、オレいいわ。」
「お前なんかさっさといなくなれ!
つか、すみれさんのこと
呼び捨てしてんじゃねーよ。」
「はぁ⁈お前関係ねーだろうが。」
「あーおーみーねーくん♡
ココまで来といて帰るつもり?」
青峰がプールを出ようとした瞬間、
カントクが笑顔で青峰に話しかけた。
まぁ、笑顔っつぅか…アレだ。
青筋入り…だな。
「はぁ⁈別にいいだろ。」
「いいけど…。
すみれの水着姿見といて、
タダで帰るつもりじゃないでしょうね?
それに火神くんもうるさいっ!
2人ともさっさと準備しなさーいっ!」
カントクに圧倒されたのか、
珍しく青峰も練習に参加していた。
つか、オレ、巻き込まれすぎだろ…。
結局、木吉先輩は戻らないまま、
昼飯の時間になり、食堂に行くと、
着替えたすみれさんと木吉先輩が
先に来ていて2人で準備をしていた。
散々2人はからかわれてたけど、
相変わらず木吉先輩は、
あのボケた感じで話すから、
からかいようがない。
どちらかというと、
すみれさんのほうが、
いちいち真っ赤になっていて、
面白かった。