第9章 -安心-(木吉鉄平)*
結局…ぜんぜん眠れなかった。
全部自分のせいなのに、
恥ずかしさのあまり、
木吉くんにひどい態度取ったうえに、
青峰くんとのこと…誤解とけなかった。
そのことばかり考えていたら、
気づいたら朝食の準備の時間だった。
朝食はたくさんパンを焼いて、
卵やハム、いろんな具材を用意した。
たくさん作るのは大変だし、
皆に好きな具材を挟んでもらう形で
サンドイッチにした。
時間が来ると、先に誠凛の皆が来た。
「おはよう。うまそっ♪」
「おはよ。
檜原、朝から大変だったろ?
お疲れ。ありがとうな。」
日向くんと伊月くんが1番乗りだ。
「すみれちゃん、おはよー!
昨日のカレーもうまかったよ〜。
な、木吉♪」
「あ…うん。うまかったな。」
その後小金井くんと木吉くんが来た。
でも…木吉くん…
こっち見てくれない…。
「皆、おはよう。
いろんな具材作ったから、
皆いっぱい食べてね。」
ガラッ…
「すみれ〜♪朝飯なんだ?」
食堂に入ってきた青峰くんが、
突然肩を組んできた。
少し離れたトコで
木吉くんが見ているのがわかった。
「ちょっ…やっ。青峰くんっ!」
わたしは慌てて離れた。
「なぁ?すみれ、昨日風呂にいた?」
「なっ⁈なに言って⁈
い…いるわけないでしょっ!
早くご飯食べてっ!」
「なんかすみれの気配したから、
女湯覗こうと思ったんだけどな〜」
「大ちゃん!
バカなこと言わないの!」
「あ⁈んだよ、さつき!
バカとはなんだ⁈」
結局青峰くんは、
桃井さんに引っ張られていった。
木吉くんとはまだ話せていない。
「ね、すみれ?」
朝ごはんを食べ終えた時、
リコが話しかけてきた。
「なぁに?」
「午前中、少しプールで遊ばない?」
「でも、練習は?」
「午前中は桐皇のメニューでやるの。
時間あるし、少し息抜きしない?
ビキニ、持ってきてるでしょ?」
「…うん。わかった。」
「じゃ、10時からね♪」
(ごめんね、すみれ♪
でも、ある意味この戦いが
1番負けられないのよ!
それに鉄平の反応も楽しみだし…ね)
少しは気分転換になるかな。
リコが言ってたビキニって…
プールで遊ぶためだったのかぁ。