第9章 -安心-(木吉鉄平)*
-リコside-
なんで青峰くんが…?
すみれもなんかおかしい…。
ふと鉄平を見上げると、
鉄平はなんだか怖い顔をしていた。
「鉄平?どうかした?」
「いや…なんでもない。」
「「「うわぁぁぁぁ‼︎」」」
「なに…⁈」
厨房のほうから
桐皇のすごい叫び声が聞こえてきた。
わたしたちも全員厨房に行った。
なんだか異様な匂いがする。
「も…桃井…おまえが作ったんか?」
「…はい。そうですよ?」
桃井さんがエプロンをして、
お鍋をかき回している姿を見て
今吉さんたちが青い顔をして
震えていた。
「桜井〜〜っ‼︎
なんで桃井に任せたんだよ⁈
なんでおまえが作らなかった⁈」
「す…すみませんすみませんっ‼︎
こ…ここまでとは思わなくて…。」
「だから、前に言ったじゃんかよ。
さつきの料理はひどいって。」
「青峰くん、ひどいっ!」
(((各校準備でよかった〜!
カントクじゃなくてよかった〜‼︎
檜原/すみれちゃん/すみれさん、
いてくれてよかった〜‼︎)))
「な…なんだかシュールな…
料理ができてるみたいだな。」
「…そうね。」
日向くんのことばに
わたしも思わず頷いてしまった。
わたしよりひどいわ…あのコ…
「お鍋に火をかけるまでは、
無臭だったんだけど…。」
すみれもポカンとしていた。
「胸は勝てないけど、
料理はウチの勝ちよね♪」
「いや、カントク…
ウチの料理したの、檜原だから。」
(それに胸も檜原は負けてはないし…
料理もカントクがしてたら…
どっこいどっこいだ…。)
そんな話をしていたら、
桐皇の人たちが一斉に一列に並んで
こっちに来て頭を下げてきた。
青峰くん以外…ね。
「「夕飯、分けてくださーい!
つか、一緒に作ってください!」」
「えっ?あの…でも…
ウチもすみれしかいないし…。」
すみれにこれ以上負担かけるには…。
「リコ、大丈夫だよ。
今日はカレーも多めに作ってあるし、
そんなに凝ったものは作れないけど、
それでもよければ…。」
「「ありがとうございますっ!」」
結局、桃井さんは片付け専門で、
桐皇からは他にも交代で何人か
手伝ってもらうことになった。