• テキストサイズ

〜Mint Candy Story〜

第9章 -安心-(木吉鉄平)*


「…っ⁈おいっ。
ガキ扱いすんなって。」


「え〜?子どもみたいだもん。
ガキ扱いされても仕方ないでしょ?
中身はオカカだけど大丈夫?」


「あぁ。」


夕食の準備も終わっていたので、
青峰くんと食堂に移動した。


「はい、どうぞ。」


青峰くんにおにぎりを渡すと、
すぐに口に入れようとしたので、
思わず取り上げてしまった。


「こらっ!”いただきます”は?」


「は⁈なんだよ、急に!」


「1歳児でも知ってるよ?
食べる前には”いただきます”でしょ?」


「はぁ…。いちいちめんどくせぇなぁ。
いただきます!ほら、いいだろ?」


「はい。よくできました♪」


ふてくされながら言う青峰くんは
本当に子どもみたいだった。


「おっ!うめぇな。うん!」


「普通のおにぎりだよ〜?」


青峰くんは
あっという間に食べてしまった。


「……ごちそうさま…でした。」


わたしの視線に気付いたのか、
青峰くんは今度はちゃんと言った。


「はい。お粗末様でした。
今度はちゃんと言えたね。
いいコいいコ♪」


皆が使う食器の準備をしながら、
青峰くんに向かって言った。


「だから、ガキ扱いすんなって。」


「だって、子どもみたいだもん。」


「…っ。なぁ?」


「なぁに?」


青峰くんに呼ばれて振り向くと、
いつのまにか青峰くんは
わたしの後ろにいた。


「”いただきます”言ったら、
食っていいっつったよな?」


「え?うん。そうだよ?」


「じゃ…すみれ食っていい?」


「な…っ⁈青峰くん?ちょっ…」


気付いたら、
両腕を押さえられていた。


「いただきます♪」


青峰くんが顔を近づけてきた。


「いやっ‼︎」


青峰くんの力にはかなわないけど、
わたしは目をキュッと閉じて、
顔を背けた。



ヤダヤダっ‼︎木吉くん…っ!



わたしは顔を背けたまま、
心の中でずっと
木吉くんを呼んでいた。


/ 550ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp