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〜Mint Candy Story〜

第9章 -安心-(木吉鉄平)*


-すみれside-


練習の後半からは、
わたしは体育館を出て、
夕食の準備をしに厨房に来ていた。


桐皇のほうは、
もう準備終わってるみたい。
カレー?のようなものが入った
大きなお鍋があった。


桃井さん、準備早いな。


それにしても…体育館出る前、
木吉くん、なんか変だったなぁ…。


・・・・・・・・・・
30分前…体育館…


「すみれっ!」


「木吉くん?どぉしたの?」


「すみれ…おまえ…」


「…ん?なぁに?」


「食事用意するのも大変だろ?
マネの仕事までしなくても
大丈夫だぞ?」


少し困惑したような表情の木吉くんは、
頭をポンポンとしてくれたけど、
すぐにコートに戻ってしまった。

・・・・・・・・・・


木吉くん、どうしたんだろ…。

わたし、
何か失敗しちゃったのかな。

体育館にいるの…
迷惑なのかな。


料理の準備をしながら、
つい気持ちが沈んでしまう…。



ダメダメっ。
美味しいご飯作らないと…。



今日は時間もないし、
ウチもメニューは定番のカレー。
土田くんからのリクエスト。
それに、前に作ったとき、
木吉くんも
気に入ってくれてたみたいだし、
カレーは甘口と辛口の
2種類作るつもりだった。


大量の野菜を切って、
ようやく煮込んでいると、
突然厨房のドアが開いた。


ガラッ…。


「腹減った〜〜〜。
すみれ、なんか食いもんねぇの?」


「青峰くん⁈まだ練習中でしょ?」


たしか18時まで練習で、
夕食は19時から。


まだあと30分は練習が残っているのに
なぜか青峰くんが厨房に来た。


「あ⁈いーんだよ、オレは。
練習したら上手くなっちまうからな。」


「上手くなったらいけないの?」


「……オレに勝てる奴なんていねぇよ。
オレに勝てるのなオレだけだ。」


そう強気で言う青峰くんは、
なぜだか少し淋しそうだった。


「なぁ、そんなことより、
なんか食いもんくれって!!」


「もぉ。子どもみたいだなぁ。」


わたしよりも遥かに大きいのに
青峰くんはワガママを言う
子どものようだった。


「特別だよ?おにぎりでいい?」


わたしは椅子に座ってる
青峰くんの頭をポンとして、
少し大きめのおにぎりを作った。

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