第9章 -安心-(木吉鉄平)*
-日向side-
おっ…。
木吉、ちゃんと檜原連れてきたな。
カントクからメールあって、
木吉行かせてよかったのかもな。
ぞくぞくと誠凛も桐皇も集まってきた。
「今回は合同合宿ということで、
私と相田さんで考えた
メニューで練習を行います。
あと、この合宿所ですが、
温泉は24時間入浴できます。
あと、食事の用意はありません。
厨房は使えますので、
各校で準備してください。」
桐皇の原澤監督の説明が終わり、
さっそく午後から練習が始まった。
「すみれ!夕食の準備するまで、
少しマネージャー業のほう、
手伝ってもらっていい?」
「もちろん!」
檜原はテキパキ動く。
短い休憩でも皆檜原から
タオルやドリンクをもらいたがるが、
カントクがほぼ木吉専属にしていた。
「木吉くん、お疲れさま。
木吉くん、やっぱりスゴイね!
さっきすごく高く飛んで
ブロックしててすごかった‼︎」
「そっかぁ?すみれがいるから、
調子がいいのかもしれないな。」
こいつ…本当によくそんな
こっぱずかしいこと真顔で言えるな。
「なぁ、これ、くれよ!」
「はい!…あれ?青峰くん?
うん。どうぞ。」
なぜか青峰がウチのベンチにいて、
サルのようにしゃがんで、
ドリンクを飲み出した。
まぁ、合同練習してるわけだけど…。
「おい…こっち来てていいのかよ?」
「あぁ⁉︎つか、これ、うめぇ‼︎」
「……‼︎」
無視かよ‼︎…ったく‼︎先輩敬え‼︎
「ん?あ、そのドリンク、好き?
わたしのお手製なの♪」
「へぇ…マジかぁ。
すみれ、オレのも作れよ。」
「え?うん。いいけど…。
そんなに気に入ってくれたの?」
「あぁ…。つかさ、おまえ…」
…⁉︎
青峰のヤツ、
檜原の腰に手ぇまわしやがった。
「おいっ‼︎」
木吉が声を荒げた。
「あーおーみーねーくんっ‼︎
もうっ!何やってるの⁇」
「あぁ⁈さつきかよ〜。」
「いいから、行くよ〜!
失礼しました〜!」
結局、青峰は、コントのように
桃井に引っ張られて、
桐皇ベンチへ連れていかれた。
ふと木吉を見ると、
パッと見ではわからないが、
少しだけ不機嫌そうな
表情をしていた。