第9章 -安心-(木吉鉄平)*
「すみれっ!」
「あ♪木吉くん♪お疲れさまー。」
「合宿参加してくれるんだってな。
よろしくな。」
オレはすみれの頭を撫でた。
「うん♪
合宿中に食べたいメニューあったら、
リクエストしてね。
なるべく栄養バランス考えて
作るつもりだけど…」
すみれはオレを見上げて、
ニッコリして言ってくれた。
オレもつい笑顔になってしまう。
「あぁ。考えておくよ。
何がいいかなぁ。」
「木吉くんの好きなもの作るね。
あ、でも、難しいのはダメだよ〜?」
すみれとの話はなんだか楽しい。
すみれといると元気になれる。
(はぁ…。鉄平とすみれって…
こんなにラブラブなのに…)
((((ふ…2人の世界入るなよ…))))
「あ、今日ケーキあるんだろ?」
「あっ!忘れてたっ。
えっとね、
今日はレモンのケーキだよ。
サッパリしてるし、
運動後にもいいかも。
はいっ♪」
すみれがカパッとタッパーを開けると、
一口サイズにカットされた
レモンの輪切りの乗った
うまそうなケーキが
たくさん入っていた。
「おっ…うまそ…」
「あーいーなー!
すみれちゃん、オレも食べたいっ!」
「……」
「水戸部も食べたいってー!」
やっぱりコガはすごい…。
なんで水戸部の気持ちがわかるんだ⁈
「オレも腹減ったー!」
「あっ。うん!火神くんもどーぞ。
たくさんあるから食べて食べて〜♪
あ、合宿わたしも参加するので、
皆よろしくね。」
「あ、合宿中のご飯だけどさ、
リクエストしていい?」
土田はさっそく
食事のリクエストをしていた。
「うん!リクエスト助かる〜♪」
オレがケーキに手を伸ばした瞬間、
コガや火神が間に入ってきて、
あっという間にすみれとケーキは
あいつらに囲まれてしまった。