第8章 -大凶-(緑間真太郎)*★
かんな
「その喋り方…とか?
あ!でも、バスケすごかった‼︎
わたしすごいビックリして興奮した!
あんなにすごいと思ったの初め…
あ…また…。」
緑間
「本当にコロコロ変わるのだな。」
また沈黙してしまった。
オレは毎日眺めていた
あの大凶のおみくじを思い出す。
今日も…財布の中に忍ばせていた。
今まで見たことのない悪い内容だった。
だが…恋愛運だけは違った。
オレはじっとかんなを見つめた。
緑間
「か…藤宮…かんなさん!」
なんて呼べばいいのかわからず、
思わずフルネームで呼んでしまった。
かんな
「…⁉︎は…はい‼︎」
緑間
「あの大凶のおみくじに…
書いてあったのだよ。」
かんな
「…?」
かんなはキョトンとしていた。
当たり前か。
緑間
「新しい出会い…素直が吉…とな。」
かんな
「…⁈それって…あの…もしかして…
恋愛…運?」
キョトンとしていたかんなは、
今度は耳まで真っ赤になっていた。
やっぱりコロコロ変わるのだよ。
緑間
「あ…あぁ。あの…
だからというわけではないが…」
しまった…ことばが続かない…。
かんな
「お友だちになってくれませんか?」
緑間
「…っ⁈」
かんな
「わたしもおみくじあげたあの時から
緑間くんのこと忘れらなかったの。
もし、緑間くんも
同じ気持ちでいてくれたなら、
とっても嬉しい。」
…オレが言いたかったことを
かんなはすんなり言ってのけた。
かんな
「でも、お互いほとんど知らないし…
だから、お友だちからじゃ…ダメかな?
わたし、緑間くんのこと、
もっと知りたいの。」
すんなり言っているように見えたが、
かんなは真っ赤だった。
必死に気持ちを伝えてくれているのが
わかった。
緑間
「オレも…同じ気持ちなのだよ。」
かんな
「緑間くん…。」
かんながニッコリしてオレを見ていた。
かんな
「あの大凶のおみくじ…
わたしにとっても
ラッキーアイテムだったんだね。
あの時緑間くんにあげてよかった!」
そう言って、
かんなはオレの手を握った。
やはり…オハ朝は絶対なのだよ。
人事を尽くして天命を待つ。
オレはかんなの手を握り返した。
---End---
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