第8章 -大凶-(緑間真太郎)*★
かんな
『…っ……アハハッ。変なの〜』
わたしは思わず大きな声で、
笑い出してしまった。
みつばも周りもビックリしていた。
みつば
『やっぱり藤宮さん、
笑ったほうが可愛い!』
かんな
『わたし…口説かれてる?』
冗談ぽく言ってみた。
みつば
『気づいてなかったの?
友だちになりたいなって…
さっきから口説いてたんだけど♪』
イタズラっ子のような目で、
ニコリとしてみつばがこたえた。
思えば、最初のこの会話から、
なんとなくお互いの波長が合っていた。
そして、みつばのおかげで、
わたしは少しずつクラスの人たちと
打ち解けることができていた。
初めてできた親友だった。
・・・・・・・・・・・・・・
みつば
「それにしてもかんなが恋ね〜♪」
かんな
「なによ、ニヤニヤして〜。」
みつば
「だって、最初友だちになった頃、
”男子には興味ない”とか、
”恋愛は面倒”とか言ってたし…」
得意のイタズラっ子のようなあの瞳で
上目遣いでこちらを見てくる。
かんな
「それは…だって…」
周りから怖がられてるから…
恋なんてしても意味ない…
できないって決めつけてた。
でも、まさか
あんなに胸がドキドキすることが
自分に起きるなんて
思ってもみなかった。
かんな
「それより、自分はどうなの?
例の人とうまくいったの?」
みつばは好きな人がいる。
わたしは話でしか知らないけど、
みつば曰く、その人は
みつばのお姉さんのことが好きらしい。
わたしは話をそらした。
みつば
「…えっ⁈」
かんな
「あ〜その顔はなんかあったな〜?」
なんかあったんだと思うけど、
みつばは戸惑った表情をしていた。
みつば
「わたしのことはいいの!
今はかんなの話!
そのオハ朝信者の情報まとめようよ♪」
かんな
「…もぉ。」
みつばに話をそらし返された。
かんな
「えっと…
オハ朝見てて…
ラッキーアイテム探してて…
あの時”大凶のおみくじ”探してたから…
えっと…蟹座でしょ?
あと指にテーピングしてて、
喋り方が変…くらい?」
火神
「ふぁぁ…んだよ、それ?
ムカつく奴にそっくりじゃねぇか。」
突然隣の席で寝ていた火神くんが
話に入ってきた。
かんな
「火神くん⁈」