第7章 -失恋-(高尾和成)*★
-another side-
〜緑間真太郎〜
まったく…
高尾の奴世話が焼けるのだよ。
境内の近くで
美山を高尾に引き渡したから、
ちょうどいい。
今日のラッキーアイテム!
「大凶のおみくじ」を引くまで、
絶対帰れないのだよ!
美山といる時にも5回引いたが、
5回連続で「大吉」だった。
普段なら喜ばしいことなのだが、
今日だけはダメなのだよ。
オレはおみくじや御守りを売っている
社務所に再び向かった。
「きゃあっ。」
急いで社務所に向かったときに、
オレを追い抜こうとした女と
ぶつかってしまった。
「うわっ‼︎だ、大丈夫か?」
オレはよろけた女を支えたが、
女が手に持っていたお盆と紙束が
落ちてしまった。
「あ、ごめんなさい。
前をちゃんと見てなかったから。
怪我はないですか?」
女は慌ててオレから離れた。
「あぁ。問題ないのだよ。
お前こそ大丈夫なのか?」
よく見たらその女は
巫女の格好をしていた。
「わたしは大丈夫です。
本当にごめんなさい。
あ〜でも落としちゃった。
せっかくお清めしたのに…。」
「これはなんだ…?」
しゃがんで一緒に紙束を拾った。
これは…‼︎
「これ?おみくじだよ。
そういえば、ラッキーアイテム?
おみくじたくさん引いてたよね♪」
「な…なぜ知っている?」
「だって、キミの受付してた巫女、
わたしだよ?」
ん…⁈そういえば…‼︎
「そういえばさっきの彼女は?
フラれちゃったの?」
「バカを言うな。
さっきいた女は彼女ではない。」
「ふ〜ん。あ!」
女は1枚の紙切れを差し出してきた。