第7章 -失恋-(高尾和成)*★
-another side-
〜宮地清志〜
高尾のやつーーーっ‼︎
あいつ、ぜってぇ許さねぇ‼︎
緑間とふたばから聞いてはいるが、
なんでふたば連れてくんだよ⁈
明日ぜってぇ
パイナップル投げつけてやる‼︎
くそっ‼︎
ふたばのやつ、電話も出ねぇし、
メールも返してこねぇ。
オレはキョロキョロしながら、
夜店の並びを抜け、ふたばを探した。
おっ!
ちょうど鳥居のトコに
ふたばがいるのが見えた。
やっぱ遠くからでも、
可愛いからすぐわかるよな。
ぜってぇふたばにはそんなこと
言わねぇけど…。
…⁈
とか思ってたら、
知らない男がふたばに話しかけ始めた。
「おいっ‼︎
てめぇ人の彼女になにやってんだよ⁈」
「うわぁっ⁈えっ…⁈」
オレのデカさに驚いたのか、
男は変な声をあげて逃げて行った。
「清志…来てくれたの?」
「ナンパなんかされてんじゃねーよ!
轢くぞ⁈」
「だって…急で…。
お店のトコから引っ張られちゃって…。」
「はぁぁ。
やっぱオレいねぇとダメだな。」
「えっ…?」
オレはふたばを抱き寄せて、
そのまま手を繋いだ。
「おまえ、危なっかしいから、
オレから離れんなよ?
離れたら轢くからな⁈」
「うんっ‼︎」
ふたばは最高の笑顔で頷いてくれた。
やっぱりふたばの笑顔はいい。
「あの男になにもされなかったか?
大丈夫か?」
歩きながらオレはふたばに聞いた。
「うん。なにもされてないよ。」
「つか、高尾のやつ…!
あいつ、なんだったんだよ?」
そうだ。
つか、そもそもあいつが悪い。
ふたばがナンパされたのだって、
高尾がふたばを
1人にしたからじゃねぇか。
あいつ、明日パイナップルじゃ
済ませねぇぞ…。