第2章 第一回兵団公演
【第四幕】
舞踏会から数日が経ったある日のこと。
突然、お城から王子様が家来を引き連れてやって来ました。
一目で恋に落ちた名も知らぬ女性……シンデレラのことが忘れられない王子様は、彼女が残した唯一の手掛かりを持って町にやって来たのです。
“このガラスの靴がピタリと入る女性を僕の妻とする”
王子様の出したお触れに町中の若い娘たちは一斉に色めき立ちます。
けれどガラスの靴を履ける娘は誰ひとり出て来ませんでした。
落胆した王子様は町の外れにある最後の一軒へとやって来ます。
そこはシンデレラの家でした。
“肉を削ぎ落としてでも履くんだよ‼︎”
鬼の形相で叫ぶエルヴィン母さんに従って二人の義姉は足を削ごうとします。
しかしあと一歩を踏み出す勇気が足りずに結局断念してしまいました。
“この家の娘はこれで全部ですか?”
ツルピカ爺やが尋ねると、部屋の奥からシンデレラが現れます。
継母はブチ切れて奥へと押しやろうとしましたが、人類最強の王子はそれを制してシンデレラにガラスの靴を差し出しました。
すると、どうでしょう。
シンデレラの美しい足はガラスの靴に吸い込まれるようにして収まったのです。