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【マギ】短編集(・・・多分。)

第5章 さよならの直前:マスルール


セリシアSIDE


「この前も、それ言ってましたね?」

ほんの1週間ちょっと前の話。
だけど、もっと前だったような気がする話。

「たった1週間ちょっとで、私の気持ちが変わるとお思いで?」

彼は何も言わない。
いつもの無表情だけど、多分それは違う。
少しだけ、苦しそうな顔に見える。

「・・・私の気持ちは、変わりませんよ。」

「・・・そうッスか。」

「うん。・・・私も好きだよ。」

目に見えてわかるくらい、彼は驚いた。
そんなにびっくりしなくてもいいのに。

「前に告白されたときだって、好きだった。お別れだったし、それは言えなかったけど―――!?」

言葉を中断させる勢いで、抱きしめてきた。
無言で、だけど心地いい。
・・・けど。

「ごめん・・・ちょっと苦しい。」

さすがに力が入りすぎていた。

「あ。・・・すんません。」

「いいよ、別に。」

嬉しかったし。
変わらず思っていてくれたことが、嬉しかった。
言葉じゃなくて、行動で示すあたりが、彼らしいと思う。
だから・・・全く嫌じゃない。

「・・・仕事まだなので、帰りますね?」

さすがにこれは、けじめをつけなくちゃね。

「でも、最後に。・・・この話は仕事が終わるまでなしですから。」

でも、やっぱりそれだけじゃなんかつまらなくて。
有無を言わせず、間髪いれずに。


キスをした。


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