• テキストサイズ

【マギ】短編集(・・・多分。)

第5章 さよならの直前:マスルール


セリシアSide


「本当に仕事やめるんすか。」

仕事である女中を辞めるため、世話をしてたマスルールさんのところに挨拶に来た。
世話役っていっても、彼はあんまり部屋にいなかったんですけど。

「よく知ってましたね。」

隠してたわけじゃないけど、マスルールさんってそういうのうとそうだと思ってた。

「まあ、一応。」

「そう…。はい、辞めます。バルバットに移住しようかなって思ってて。」

「バルバット?」

「うん。いつまでもこの国に甘えてちゃダメだと思って。」

珍しくマスルールさんはこっちを見たまま話をきいている。
そして口数も多めだった。

「別に、甘えたっていいと思うんすけどね。」

「そんなわけにはいかないよ。」

だって私はただの女中だし。
特別な人間じゃない。

「だから、お別れを言いに来たんです。」

シンドバッド王にも既に伝えてある。

「いつ…この国をでるんですか。」

「明後日にはいくつもりです。ちょうど船がでるんです。」

「…。」

だから、今日があなたにあう最後の日なんです。
だからありがとうございました、そう言おうとした時だった。
/ 69ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp