第4章 黙祷:ジャーファル
セリシアside
「え・・・?」
今の言葉は・・・どういう意味?
ジャーファルは視線を泳がせながら答えた。
「私は・・・あなたのことが好きだからです、セリシア。」
・・・えっと。
思考が追いつかない。
「ずっと、そばにいてほしい。ずっと守ってあげたい。だから・・・帰ってほしくない。」
今まで、同い年のすごい人、としか考えていなかった。
いやまあ、かっこいいとは思ったことあるけど。
でも女の陰も噂もない人だから、全く興味がないのかと思って、考えようともしてなかった。
「好きです。」
まっすぐ、目をみて言われる。
好き、か・・・?
「・・・帰れるわけないですから、帰りませんよ。それに。」
「それに?」
ちょっと勇気がいったけど、ジャーファルにぎゅっと抱きついた。
「え?」
「私を守ってくれる人がいるから・・・ね!」
きっと、脅威におびえることは少なくなってく。
守ってくれる人がいるのだから。
だけど、あの日にあったことは一生忘れない。
二度と同じ過ちを繰り返してほしくないのだから・・・。
end