第5章 オトナになろう/エレン
「動くぞ?」
『う、ん……来て』
の返事を聞いて彼女の細い指に自分を絡めた。
ギュッと繋いだ手。
ひとつになった悦びを全身で感じて心が満たされていく。
「好きだ……っ好き、…もうお前の事しか考えらんねぇ…‼︎」
『あ…ん、ぁあっ……エレン…私も、大好きだよ…‼︎』
果てる時は同時だったと思う。
必死過ぎて記憶が定かじゃないけど、の爪が痛いくらい背中に食い込んでたのは確かだ。
『ごめん……痛かったよね…?』
「全然。お前の痛みに比べたら大した事ねぇよ」
ポン、と彼女の頭に手を置いた。
嬉しそうなの顔。
どうやら今回は言葉を間違えてなかったらしい。
『エレンってさ……たまに、凄くキザな事言うよね』
そんな所が好きなんだけどさ。
最高に可愛い俺の彼女は、そう言ってふわりと笑った。
[オトナになろう]完