第1章 SHE IS MY.../ジャン
『……っ』
は滅法これに弱かった。
普段は嫌みったらしくて何かと言えばすぐ新兵に絡む分隊長だが、寝起きは実に素直である。
歳の差を感じさせない少年っぽい笑みはこんな時にしか見せてくれない。
自然と熱くなる頬。
早くなっていく動悸。
それらをひた隠しにしてはジャンの出立準備を手伝っていく。
まったくベルトセットぐらい自分で付ければいいのに。
本当に世話が焼ける上官だ。
「ちょ……おい、どこ触ってんだよ」
『は?』
「俺、脇腹弱いんだから」
『はァ……すいません』
「まあ、今晩俺の部屋に来るってんなら存分に触らせてやってもいいけど?」