第1章 SHE IS MY.../ジャン
「痛ってぇぇ……もうちょっと優しく起こしてくれって…いつも言ってるだろ」
寝惚け眼を擦りつつ身体を起こしたジャンはベッドの上に胡座をかく。
慣れた手付きでからモーニングコーヒーと壁内会報を受け取ると、愛用のメガネを掛けて会報を読み始めた。
『これでも優しくしてるつもりです』
呆れた様子で答える。
毎朝の攻防戦に身を置いているせいで15歳にして母親になったような気分だ。
“分隊長ってマザコンぽいよね”
この噂も強ち間違いではないだろう。
彼女にはその確信があった。