第3章 ロリポップ・プレイ/兵長
今日はひとつ面白い話をしよう。
ある男の話だ。
そしてこれは同時に私の話でもある。
私の名前は。
内地の娼館に身を置く売女だ。
客として足を運んで来るのは妻に飽きた金持ちの貴族か、女に飢えた憲兵か。
たまに珍しい客が来たりもする。
あの日が丁度そうだった。
『あら……いらっしゃい』
「暫くぶりだな」
リヴァイは昔からの顔馴染みで私が娼婦になる前から付き合いがある。
もちろん、身体の……と云う意味だ。
『まだ生きてたのね』
「……相変わらず口の減らねぇ女だ」
『口が悪いのはお互いさまでしょう?』
私は自身専用のワインセラーから高めの品を引っ張り出して栓を抜いた。
感動の……とは、
お世辞にも言えない再会を祝して。
深紅の液体で満たしたグラスを差し出すとリヴァイは一気に酒を流し込んだ。