第8章 痛いのがお好き/兵長,ジャン
言葉が出なかった。
兵長は自他共に認める超ドSだと思っていたが、まさかこれ程までだったとは。
これじゃサドを通り越して変態だ。
自分の女が他の男に奉仕する姿を見て悦ぶなんて……普通じゃない。
「うっ……ん、あぁ…!」
しかし、悲しいことに普通じゃないのは兵長だけに留まる話ではなくて。
さんは兵長に超従順なドMである事が分かってしまったし、ついでに、こんな状況で感じてしまう俺もド級のM男だと云う衝撃の事実が判明した。
『ジャン……ごめんね』
謝罪の言葉を口にしつつも何処か楽しげに俺を舐め上げるさん。
恋い焦がれた女性の痴態に俺の愛欲は爆発寸前だ。
「あっ、さん……もう、俺っ……!」
絶頂が近付いた俺は切なげに愛する人の名を呼んで声を震わせた。
しかし、悪魔と化した刈り上げ……ではなく兵長がそんな簡単に射精を許してくれる筈もなくて。