第5章 止められない想い。【裏要素あり】
悠が洗面所に行っている間に、朝食の準備の仕上げをしていた。
先ほどまでの悠とのやりとりで速くなった私の鼓動は少しずつ落ち着きを取り戻してきていた。
(寝起きの悠も……格好よかったなぁ///)
思い出すと思わず口許が緩んでしまう。
悠「…何か良いことあったの?」
悠の声に驚き、斜め上を見上げるとすぐ近くに彼の顔があった。
「わぁっ!悠っ…///!?」
タイミングがタイミングだっただけに、私はひどく慌ててしまう。
その姿を見ていた悠は楽しそうに笑っていた。
「きゅ、急に声かけるんだもん!びっくりするよ…!もぅ///!」
悠「ははっ、びっくりさせて悪かったな。何か花音が嬉しそうに笑ってたからさ。気になったんだよ。」
私は顔を赤くしたままちらりと彼を覗き見る。
目が合う彼は少し困った顔で笑っていた。
「………そ、その………寝起きの… 悠が、……格好よかったなって………考えてた///」
すると、悠は何の返事もなく黙りこんでしまった。
不思議に思い彼を見上げると、口許を手で押さえ、顔を真っ赤にした悠がいた。
「…… 悠……?」
悠「……ちょ、今、こっち見んな。」
そう言い彼は下を向いてしまう。
その姿がとても可愛らしくて、私は胸がきゅんとなった。
「あの……もしかして、照れてる?」
悠は少しだけ顔をあげると私をちらりと見た。
悠「………もしかして、じゃなくて、照れてんだよ。好きな女に格好いいって、言われんのがこんなにくるとは思わなかった……しかも、寝起きとかマジ恥ずいから。」
悠の言葉が私の胸を締め付け、熱くする。
堪らなく嬉しくなり、私は思わず彼に抱きついた。
急に抱きつかれ悠は驚くが、しっかりと私を抱き留め、優しく包む。
悠「……何?どうしたの……?」
私の頭を優しく撫でる彼の手。
「………大好き。」