第5章 止められない想い。【裏要素あり】
更衣室から出ると、壁に寄りかかって待つ悠の姿を見つけた。
すぐに悠も私に気付き、こちらを向く。
そして、私の大好きな笑顔を見せてくれる。
悠「…ん。今日も私服、スゲー可愛い。」
その言葉に私は顔に熱が集まるのを感じた。
悠の手が伸びてきて私の耳を弄ると、
そのくすぐったいような甘い感覚に私の心臓は早く脈打っていく。
悠「……脱がすのがもったいないくらい。」
「ーーーーなっ////!?!?」
悠「さ、早く帰ろうぜ?」
私は真っ赤に染まった顔を見られないよう俯きながら、悠と共にお店を出た。
エレベーターを降りると悠が私の手を取り、指を絡める。
そのあまりに自然な動きに私はドキドキされっぱなしだが、当の悠は全く気にした様子もない。
手を繋いで駅まで歩き、電車に乗った。
電車の中は混み合っていたのでドアの側に私が立ち、向き合うように悠が立っていた。
悠「結構混んでるね。」
「うん…」
悠との距離が近く感じられ、妙にドキドキしてしまう。
ーー私これから、悠のお家にお泊まりしちゃうんだ……////
どうしよう……緊張してきた……!
悠「… 花音?次、降りるけど……どした?急に静かになって…」
「あっいや、な、なんでもない…です。」
私の頭の中はこの後のことでいっぱいになっていた。
ずっと悠のお家でどうなるのか考えてたなんて言えないよ…///!
一人落ち着きのない私だったが、電車はまもなく彼の住む駅へと着こうとしていた。
悠「…そう?じゃ、降りようか。」
ドアが開くと、悠は私の前に手を差し出す。
私はその手に自分の手を重ねる。
悠「足元、気を付けろよ?」
悠の何気ない優しさは、私を大事にしてくれてると感じられ、心が温かくなる。
「うん。ありがとう。」
悠は優しい笑顔で頷いた。