第4章 それぞれの独占欲。
【悠side・続】
足早に花音のいるホールへと向かう。
すると、海斗の姿が見えてきた。
ーーあ?海斗だけじゃない?
そこにいたのは海斗の陰に隠れ見えなかった花音の姿。
しかも、体を密着させ、手を繋いでるようにも見える。
ーーーーっ!!!
その瞬間、俺は怒りに込み上げてくるのを感じた。
あいつに触れて良いのはーー俺だけなんだよ。
今にも海斗に殴りかかりたい気持ちが表に出そうになるが、それを抑え込み平静を保ち声をかける。
悠「… 花音。上がって良いって。」
俺に気づくと二人は離れた。
海斗はニヤニヤと嬉しそうな顔で花音を見ていたが、花音はひどく動揺した顔をしている。
ーーー何、その顔。どういう意味なんだ?
お前は俺のものなんじゃねーの?
心の中にぐるぐると黒いものが渦巻いていく。
あぁ、俺は今……嫉妬……してんのか。
悠「んじゃ、お疲れ。海斗」
それに気づくと、自分が情けなくなり逃げるようにその場から去る。
ーーー海斗の奴。花音のこと………
後ろからパタパタという足音と共に花音が追ってきた。
「悠…?」
俺を見上げるその顔は少し困ったように俺を見上げている。
この綺麗な顔も華奢な細い体も自分のものになったはずなのにーーー
悠「……来て。」
俺は花音の細い腕を掴み、更衣室の中に連れ込んだ。