第4章 それぞれの独占欲。
沙織「こらっ!花音をからかわないの!ちゃんと仕事しなさいっ」
海斗「は~い♪…じゃ、花音!持ち場行こう~♡」
海斗さんはとても楽しそうに持ち場へと足を進める。
その横で私も同じ場所へと向かうが、私の肩には海斗さんの手が乗せられている。
自然と体が密着してしまう。
ーーうぅ……近いな…… 海斗さん…
私の戸惑いを気にも止めず、海斗さんはニコニコと世間話をしている。
悠は綺麗で整った好青年タイプのイケメンだが、海斗さんは同じイケメンでも全くタイプは別なようだ。
海斗さんは目鼻立ちがはっきりとしたイケメンで、見た目も派手だけど、話し方も誰に対しても軽いというか…チャラチャラしてるというか…という感じで、遊び慣れてる印象だ。
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持ち場に着くとすぐに開店の時間となりお客さんが入店し始めた。
緊張しながらも少し要領をつかんできた私は楽しく接客が出来るようになってきていた。
今日から初めてオーダーを取るようにもなり、俄然がんばらなくちゃ!という気持ちでいっぱいだった。
海斗「花音めちゃくちゃがんばり屋さんだねぇ!偉い偉い♪」
通りすがり等、ふとした時に海斗さんは優しく声をかけてくれた。
その声に励まされながら私は接客を続けていた。
海斗さんは私が困っていたり、いっぱいいっぱいになってると、さりげなくフォローをしてくれた。
一番最初の印象と、今のさりげない優しさと笑顔にギャップを感じる。
ーー実はいい人なのかも……
スキンシップは相変わらず多いけど……
お客さんたちのオーダーも落ち着き、少し息をつく。
これまで特に大きな失敗もなくやれたので、私はひと安心していた。
客A「海斗~~♡また一緒に遊ぼーよぉ♪」
声のする方を思わず振り返るとテーブルに座るお客さんと海斗さんの姿があった。