第4章 それぞれの独占欲。
「悠……///私も……嬉しいです。」
悠の甘い言葉に私の心臓は騒がしく音をたてる。
悠の大きな掌が伸びてきて、私の頭を撫でた。
あ……これ、凄く好きだなぁ……
悠「もっと構ってあげたいけど、今は我慢…ね?」
「……うん。」
分かっていても、寂しくて、もっと触ってほしくて…
思わず悠の服の裾を掴んでしまう。
悠は、少し困った顔で微笑むと私の耳元に顔を近づけた。
悠「……そんな可愛いことしないで?俺も我慢してるから……その分、後で…イイコトしてあげるから…」
"イイコト"という言葉と、耳にかかる悠の息が私の体をジンジンと熱くしていく。
"おあずけ"されたこともあり、些細なことでもすぐに反応してしまう。
悠「じゃあ… 花音も頑張れよ。」
顔を赤くし、ぽーっとする私を残し、悠は戻っていった。
しばらく胸の高鳴りは収まりそうもないが、私は着替えを済ませ、ホールに出た。
すぐに沙織さんと合流し、今日のポジションの確認をした。
?「うわっ!噂通りヤバイぐらいの美人な子だね……ね、彼氏いるの??」
突然現れた明るめの茶髪を横に流した、いわゆるお兄系のイケメンが私の顔のすぐ近くまで顔を寄せてきた。
あまりの近さに驚いた私は思わず、後ろに体を引いてしまう。
海斗「あれ?ビックリさせちゃった?俺、海斗。色んな意味でよろしくねぇ♡」
そう言い海斗さんは私を抱き締めてきた。
海斗「ん~。良いにおい♡」
突然のことに頭がついていかず、固まっていると沙織さんが引き剥がしてくれた。
沙織「海斗!やめなさいーっ!もうっ花音固まっちゃったじゃん!」
エヘヘ、と笑いながら海斗さんは私を解放する。
海斗「だってさぁ、花音めっちゃタイプなんだもん♡運命感じちゃったし~♪」
沙織「バカなことやってないでさっさと働けー!」
海斗「はいはい。…でも今日同じホール対応だからよろしくね♪俺の花音♡」
えぇーーっ!?どうしよう!