第4章 それぞれの独占欲。
私と悠じゃ不釣り合いだってわかってるけど……
私は、彼を信じたい………
悠のことを想うと体の奥がジワリと熱を帯びる。
私は既に彼に心も体も依存しつつある。
菜奈「私が知ってる悠さんだけでも超好条件な男だけど、肉食系だなんて、さらにヤバイわ!あーもぅ!私も男欲しいっ!」
「あははっ…私、菜奈みたいに要領よくて可愛くないし、悠に釣り合うようにもっと頑張る!」
私の言葉に菜奈はキョトンとしてしまう。
菜奈「……いやいや。花音と悠さん超お似合いだから。想像しただけでも、美男美女で絵になるわぁ♪」
「…そんなことないから!悠は美男だけど私はダメダメだし。」
菜奈「もー……何でこの子はこうなのかね。美人なのに自信なさすぎぃ!」
「いたたたたっ!」
菜奈に頬をつねられてしまった。
菜奈「これもすべて元カレのせいかと思うと許せんわ!!」
ーー私が付き合っていた元カレは高校1年の頃から3年の途中まで一緒にいた。
彼はいわゆる自信家タイプの人で、何かと私はダメ出しをされてきた。
だんだん一緒にいるのが辛くなり、別れたけど、付き合っている間は我慢の連続だった。
元カレは『可愛い』なんて一度も言ってくれなかったし、私はただの性処理ができる人形のようなものだった。
その結果私は、自分に自信が持てなくなり、異性を好きになることすら避けるようになってしまった。
だけど、悠はちゃんと私と向き合ってくれている。
目を見て可愛いって抱き締めてくれる。
ーーエッチの時も独りよがりではなく、一緒の時を大切にしてくれている。
それに…悠といる時間が、本当に幸せって感じられる。
「あの時は本当に辛かったけど…今は、悠がそばにいてくれるから…幸せだよ?」
菜奈「本当によかったねぇ!花音が彼氏のことでそんなに柔らかい笑顔見せてくれる日がくるなんて……ちょっと泣けるよ私。」
菜奈の目は潤んでいるように見え、つられて自分まで潤んできてしまう。
「大袈裟すぎ!…でもありがとう」