第6章 初めて歩く二人の距離

少し考え込むような仕草を見せていた悠が、再び笑顔を私に向け、同時に差し出された1枚のスカート。





悠「………その服、やっぱりお前に似合ってる。すげぇ可愛いわ。……次…これも合わせてみてよ。」





悠の手からスカートを受け取りながらチクリと痛む胸。
すると、私の気持ちに気づいてか悠の腕が伸びてきたかと思うと、私の頭をポンポンと優しく撫でてくれる。





悠「………持ってきたのは店員だけど、幾つかある中から選んだのは俺だから。……だから、着て欲しいんだけど。………だめか？」






覗きこんでくる優しい瞳は、こんなに嫉妬丸出しな私を否定することなく受け止めてくれて。






「………着る。…………着てみたい。………待っててくれる？」





ぽつりぽつりと吐き出した言葉に、嬉しそうに目を細めながら笑顔を見せてくれる彼に、私の心臓は拍動を速めていき、真っ黒に染まった心の中はいつしか甘い香りで満たされていた。





悠「……もちろん。……つか、俺が一番に見たいから。…………ここで、待ってるから。」





私は小さく微笑み、頷きを返すと、再びカーテンを閉め、スカートに足を通してみる。






「…………うわ……///」





着替え終わり鏡を見ると、いつもよりも少しだけ大人っぽい私がいて。
その顔はいつも鏡で見る顔よりも"女"を感じさせる表情だったことに、動揺してしまう私。





悠「＿＿着替え終わった？………開けるよ？」




「あっ＿＿＿///」





(うぅ……こんな顔してるの見られたくないよ～っ///)






恥ずかしさのあまり背を向けようとすると、ぐい、と手を引かれ、気がつくと私の体は悠に抱き寄せられていた。






「きゃっ……悠っ///！？」





すぐに触れそうな距離にある彼の顔。
耳元へ彼の唇から吐き出される熱い息に体の奥がゾクリと痺れを起こす。






悠「………思ってた通り、すげぇイイよ。………可愛い………」





熱の籠った視線が私の視線と重なる。






「ん…………///」






お互いが近づくようにして重ねられた唇は、何度も角度を変え深みを増す