第6章 初めて歩く二人の距離
朝食の片づけを終えた私は再び鏡を手に取り、化粧直しをしていた。
さっきので…グロスとか…取れちゃったしね///
先ほどまでの甘い情事を思い出し、一人赤面していると、後ろから声を掛けられた。
悠「花音ー?今日どっか行きたいトコある?」
身支度が終わったらしく悠がソファに座る私の隣へ腰を下ろし、私の顔を覗き込む。
恥ずかしさのあまり顔を背けると、すぐに彼の指によって顎をつかまれ戻されてしまった。
悠「…何、逸らしてんだよ。」
少しむくれたように話す彼の姿が可愛くて、私は思わず笑顔になった。
そんな私を見て、悠は微笑みながら小さく息を漏らす。
悠「目逸らしたと思ったら、今度は人の顔見て笑うのかよ…全く。」
「ふふっだって…むすっとしてる悠が可愛かったから…」
悠「…うっせー///…で?真っ赤な顔して何考えてたの?」
悪戯に笑う彼の笑顔によって再び顔に熱を帯びてしまった。
情事のことを思い出していた等言えるはずもない私は、ただ真っ赤な顔のまま唸っていた。
「な、何でもないですっ///!!」
激しく動揺している私を悠は楽し気に見つめていた。
悠「ふーん………何だ。さっきのこと……思い出してくれてたのかと思った。」
"さっきのこと"という言葉にピクリと反応してしまった私。
それに気づいた彼は一層笑顔を深めると、私の唇にキスを落とした。
「___っあ////!」
離れた自らの唇を悠はペロリと舐めて見せる。
その妖艶や仕草に私の胸は激しく騒ぎ立てていた。
悠「花音はエッチだね………。……可愛い。」
「~~~~う"ぅ/////」
そんな彼に私はただただ赤くなる一方だった。