Liebe ohne Anfang(進撃:ベルトルト夢)
第1章 Liebe ohne Anfang
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しかし、裏切りを強く感じながらも、路地裏で時が過ぎるのを待てば待つ程、彼を怨む事が出来なくなっていった。もしベルトルトが本当に超大型巨人ならば、潰された腕からは希望が生まれるからだ。
もし彼が、私を奇行種から救う為に巨人化したとすれば?
もし彼が、私が二度と戦場に立てないように腕を潰したとすれば?
もし彼が、私に絵師としての道を残す為に、利き腕とは逆の方を潰したとすれば?
どんな時も受け身な彼にしては乱暴な方法だ。が、都合良く全てがの為の行動だと考えれば、それは酷く優しい暴力だった。無理矢理ではあるものの、により安全に生きる道を与えた事には変わりない。
彼はをただの仲間としか認識していないかもしれない。それでもは彼の行動が嬉しかった。潰された腕は少なからず、彼女が彼にとって、生きていて欲しい人物である証拠になる。