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Liebe ohne Anfang(進撃:ベルトルト夢)

第1章 Liebe ohne Anfang


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 残されたの瞳からは、新たな涙が零れ落ちる。

「……嘘でしょ、…ッベルトル!」

 やっと言葉を発せるようになったの口からは、苦しげな声でベルトルトの名が呟かれた。脳裏には先ほど間近で見た超大型巨人の顔が蘇る。5年前は遠目で見かけただけで、特徴までは分からなかった。時の流れで記憶もどうせうろ覚えだ。けれど今しがた近距離で見た、筋肉で覆われてる顔で分かってしまった。『修復屋』を営んでいたからこそ、知りたくない真実には辿り着いてしまったのだ。

 皮膚のない50メートル超えの巨人の正体は、ベルトルトだった。

 酷く裏切られた気持ちになる。ウォール・マリア襲撃事件の後、初めて出来た友だと思っていたのに。否、今だからこそ気づく。ベルトルトは、にとって初恋の相手だったのだ。シガンシナ区で平和な日常を過ごしていても、に心許せる人はいなかった。仕事柄、同世代からは気持ち悪がられるのが常である。エレンとミカサ、そしてアルミンは彼女を疎外しなかったが、友情を築く程の時を過ごしていない。父の仕事の手伝いを理由に、は望んで人と接する事を拒否したのだ。

 そんな彼女に初めて歩み寄ったのがベルトルトである。元の家業を話しても、彼は決して引かなかった。そんな家族以外の男性、しかも自分と同い年の少年とどう接していいのかに戸惑いながらも、は確実に彼と過ごす時間を楽しんでいた。そして今、絶望の中で己の小さな恋を自覚する。
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