第1章 長期片想いの結末 〈月島蛍〉
「……えーっとつまりこれは…。」
蛍「僕の勝ち。チョコはあげないってこと。」
「ですよねー…。」
私は少し肩を落とした。
わかってた。テストで蛍に勝とうなんてはじめから無理だってことくらい。
蛍「まぁ…思った以上に頑張ったみたいだからあげてもいいよ。」
その言葉に私は蛍の顔を見た。
「え…?」
蛍「だだ…チョコじゃないけど。」
「それってどういう………!!!?」
その言葉の意味を考える暇もなく蛍は私の腕を掴んでグイッと引っ張った。
そしてそのままキスされた。
「!!」
スッと顔を少し放し蛍が言った。
蛍「朱鳥さ…僕が朱鳥のことずっと前から好きだって知ってた?」
そういい終えると蛍の顔の距離は元と同じくらいになった。
腕は掴まれたままだけど。
「……。」
何が起こったのがわからなくなっていた私は黙っていた。