第8章 私は兄が嫌いで好き?〈及川徹〉
椅子に座って朝食をとる。
徹「もー朱鳥〜機嫌治してよ〜!」
向かい側にボールをぶつけて赤くなった頬の兄が話してくる。
「……。」
徹「なんで無視するのさ〜!!」
全然反省しているようには見えないんだけど…。
「黙れ変態。……ごちそうさま。(もっと強くぶつけてやればよかった。)」
私はさっさと支度をして鞄を持って家を出ようとした。
「早くしてよ。鍵閉めちゃうよ?」
徹「えっ!!もう行くの?」
兄は慌てて朝食を終え鞄を持って玄関の方に走ってきた。
私の家は基本両親共に仕事で夜遅かったり、帰ってこないことが多い。だから学校に行くときや兄弟である私達がどちらとも出掛ける際は鍵をかけなくてはいけない。
鍵をかけた私はさっさと歩き出す。
徹「朱鳥〜そんな早く行かなくてもいいじゃん!今日は朝練無いんだし。」
「別について来なくてもいいんだけど?ってかついて来ないで変態。」
徹「家追い出しておいてそのセリフ!?同じ学校行くんだからしょうがないじゃん!ってかその"変態"ってのヤメテ!!」
「事実でしょ。」
家を出て少し歩いていると。
岩「お前ら朝から騒ぐよ。近所迷惑だ。」
前に兄の幼なじみの岩泉一先輩・通称岩ちゃん先輩がいた。
「あ!!岩ちゃん先輩!!おはようございます!」
私は岩ちゃん先輩に駆け寄った。
岩「おーおはよう朱鳥。何があったんだよ?」
「それが、実はですね―――。」
私は今朝のことをすべて岩ちゃん先輩に話した。
実際岩ちゃん先輩は兄より兄らしくていろいろ話せる数少ない人物だ。
岩「………お前…いくら兄妹だからって部屋ノックも無しに部屋に入るなんて最低だぞ。」
徹「ちょ…二人してそんな睨まないでよ!!」
「はぁ…岩ちゃん先輩みないな人が私の兄だったらよかったのに。」
徹「しかも朱鳥それひどくない!?お兄ちゃん悲しい〜!」
ああ…ほんとウザい…。
昔から一緒にいるけど
このウザさは悪化するばかり…。
いっつも私にくっついてきてヘラヘラと話す。
これを世に言う
シスコン
と言うもなんだろうか。