第79章 素直になりたい恋心〈松川一静〉
一度言ってしまったら、もう止まらない。
私は思い付くままに松川に思いを伝えた。
「貴大から紹介されて友達になってから少しずつ好きになって、でも友達で仲良かったのにもし、告って今の関係がなくなったら怖くて……それに、顔合わせると何話せばいいかわかんなくなって上手く言えなかった…。
松川が今誰と付き合ってるかとか誰が好きとか知らないけど、卒業前にこれだけは伝えたかった……!」
顔が熱い……。
今にも涙が溢れだしそうだ…。
きっと今の私の顔は酷いのだろうと想像がつく。
この場から早く立ち去りたいと思っていたら。
松「………知ってた。」
「………え?」
意味がわからず、私は思わず松川の顔を見た。
松「ずっと前からそんなの気づいてた。俺だけあんなに態度違えばわかるって。まぁ、最初は嫌われてるのかと思ったけど。
けど俺がお前に嫌われる覚えないし、花巻はお前と付き合ってないっていうから、もしかしってな。
そしたら俺もお前のこと気になるようになって、俺から言っても良かったんだけど、黒羽がなんて告るのか聞いてみたくてさ、待ってた。」
まだ、ちゃんと理解出来ない。
「……は?……え…それってつまり……。」
松「俺も黒羽が好きってこと。」
はっきりとそれを聞いた瞬間、涙が流れた。