第77章 君に捧げるこの想い〈海信行〉
作業の内容としては、次のクラス委員の会議で使う資料をコピーしてホッチキスで冊子にするものだった。
そんな難しいことではないので黒羽と話をしながらやった。
「そう言えば、バレー部毎日練習しててすごいよね!春高予選だっけ?もうすぐ始まるんだよね。」
海「おーよく知ってるな。」
「だってみんな言ってるから。今年は全国行けるといいね!」
海「ありがとうな!俺たち三年はこの大会が最後だし、頑張るよ。」
「うん!応援行くね!!」
黒羽の励ましはすごく心強くかった。
海「黒羽はどうなんだ?」
「へ?」
海「吹奏楽部もコンクールもうすぐなんだろ?」
黒羽はうちの学校の吹奏楽部で主将を勤めていた。
楽器はクラリネット。前に一度聞いたけどすごくよかったのを覚えてる。
「あー……うちの部は部員数少ないし、一応まだ引退せずに残ってるけど、入賞できるかどうか……。今日だってコンクール近いのに休みだし…。」
海「そうなのか?でもやるだけやでやってみないとわかんないだろ?」
「うーん。そうだね、頑張ってみるよ!」
黒羽はそう言うと優しく笑った。
俺はこのクラス委員の仕事をしているのが好きだ。
同じクラスになって真面目で、誰にでも優しい彼女に最初はいい子だなぁと思っていた。
それが次第に恋に発展していつ告白しようかと悩んでいる。