第75章 私の中のヒーローへ〈金田一勇太郎〉
あともう少しで皆来そうなとき、本を読んでいた私の手元に3つの影が現れた。
男1「ねー?君何してるの?」
男2「暇ならさ俺等と遊ばない?」
それ同時にそう声が聞こえて、なんとなくわかったけど、そっと顔を上げた。
そこには3人の青年の姿があった。
なんかニヤニヤして、タバコの匂いもした。
一瞬にして恐怖に包まれてその場から逃げたかったけど、足がすくんで動けなかった。
男3「ねー?聞いてる?俺等と遊ぼーよ!」
「い、いや私はこれから部活なんで……。」
とりあえず理由をつけて拒否ったけど、
男2「良いじゃん1日ぐらいサボっちゃいなよ?!」
そう簡単には諦めてくれなそうだった。
「そ、そういうわけにはいかないんで…!」
男1「もうー真面目だなー。じゃあさ、強制な!」
男2「今日は俺等と過ごすってことで!」
彼らはそう言うとは強引に私の腕を引っ張った。
「えっ!?ちょっと……!!や…やだっ!離して!」
ぐいぐいっと引っ張られて私は必死に抵抗した。
そしたら、急にまためまいを起こして足がふらついた。
男3「え?何具合悪いの?じゃあ……」
もしかして見逃してくれるって思ったのは大間違いだった。
男3「俺んちすぐそこだから休ませてあげるよ。」
本気でヤバイと思った。
だけど貧血のせいか、頭が重くだるくて力が入らない。意識を保つのもギリギリだった。
そんな私を無理矢理連れていこうとする彼ら。
やだ
怖い
助けて
そう思っても恐怖で声にならないでいた。
そして最後に
"助けて……勇くんっ……!"
そう強く思った。
その時だった。