第75章 私の中のヒーローへ〈金田一勇太郎〉
3人でいつも通り学校近くまで行くと
勇「朱鳥、靴紐ほどけてる。」
勇くんに言われて足元を見ると確かにお気に入りのスニーカーの靴紐がほどけていた。
「あ、ホントだ。結び直すから先行かないでね?」
勇「わかってるよ。待ってるから早く結べよ。」
勇くんの言葉に少し安心して靴紐を結び直し、立ち上がったとき
「っ……!」
いきなりめまいが襲ってきて足元がふらついた。
勇「おい、大丈夫か?!」
「あ、うん。大丈夫ありがとう。なんか立ったら一瞬目の前が真っ暗になってふらついちゃった。」
幸い、側にいた勇くんがを支えてくれたから倒れずにすんだけど、まだ少し頭が重い感じがした。
今までこんなことなかったのに……。
国「黒羽さんってもしかして貧血?」
「え?ううん、そんなこと言われたことないけど……。」
何の病気とか大きな怪我がなくて、ほとんど健康状態で今まで生きてきたのに…。
そう、不安げに思っていると。
国「貧血ってそれまで何ともなかった人にも起こるみたいだから、1回病院で見てもらった方がいいかもね。」
そう国見くんが助言してくれた。
「そうなんだ、わかった。教えてくれてありがとう。」
そうは言ったものの初めて襲ってきためまいや貧血という言葉にあまり実感がわかなかった。