第1章 長期片想いの結末 〈月島蛍〉
それからまたしばらく勉強をした。
窓から入る夕日の光が図書室をオレンジ色に照らす。
私が必死にノートを書いていると―。
蛍「朱鳥。」
「!!」
今まで下の名前でなんて呼ばれたことないからいきなり呼ばれてビックリして顔をあげた。
「ハグッ!!!?」
顔を上げた私の口に何か入れた。
口の中ではほろ苦く甘いものが少しずつ溶けていった。
チョコレートだった。
しかもすごく美味しい。
だけど状況が把握できない。
「な…なに??////」
蛍「何ってチョコだけど?」
平然と答える蛍。
「わかるよ!わかるけど…なんでいきなりチョコを?//」
蛍「朱鳥さぁ…さっきより進むペース遅くなってるってわかってる?休憩入れたのに…。このあと科学かもやるんだからのんびりしてられないの。だからそれでも食べてさっさとペース戻してくれない?」
(もしかして…これ食べて頑張れってこと…?チョコって疲れとか取るっ言うし…。)
そう思うとちょっと嬉しく思えた。
「うん!ありがと!!」
蛍「…なんでそんなに嬉しそうなの?そんなにおいしかった?」
「うんすごく!!」
でも実際は蛍からチョコを貰ったこと事態が嬉しかった。
「ねぇ!!チョコもう一個ちょうだ「やだ。」 ………。」
即答どころか最後まで言わせてもらえなかった。
「そんな1個や2個いいじゃん。」
蛍「…じゃあ今回のテストの数学と科学、僕よりいい点取ったらあげてもいいよ。」
「えっ!?蛍よりもいい点!?無理だよ!!無理無理!!見たでしょ前回のテストの結果。蛍頭いいし敵わないって!!」
そんな結果が見えてる勝負やる意味があるのか思った。
蛍「そんなこと言っている暇あるなら勉強したほうがいいんじゃないの?」
「はい…。ごもっともです。」
私は再びペンを握った。