第7章 釣り合い〈及川徹〉
そのあと彼はいろいろ話をしてきたが私はそれをまともに聞こうとしなかった。
彼と話すのは楽しい。
でも楽しいからこそまた付き合いたいと思ってしまいそうだから…。
家に着き
「じゃあね。」
と私は家の敷地に入ろうとしたとき。
及「待って!」
彼にグイッと腕を捕まれた。
「ちょっ…何!?」
驚いて振り向く。
及「ねーどうせ家に誰もいないんでしょ?今日の課題俺んちにで一緒にやろうよ?ちょっとわからないとこあるから教えてくんない!?」
「はぁ?なんで?及川の実力なら私が教えなくても大丈夫だと思うんだけど?」
彼は特に成績が悪い方ではない。むしろ人より少しだか頭はいい方だ。
だから何か企んでいると直感した。
及「そんなことないよ〜。
俺にだってわかんないとこあるし、生徒会の朱鳥の方が頭いいてしょ?」
(別に生徒会は関係ないと思うんだけど…?)
でもこうなったら言うこと聞くまで言い続ける…。
「わかったよ。課題やるぐらいならいいよ。」
私は渋々了承した。