第71章 君を幸せにできるのは…〈及川徹〉
「し、幸せだよ…!勇馬くん、優しいもん!」
そう言われて私はムキになって言う。
徹「優しいって…優しい言葉かけてくれたりするだけじゃないの?」
確かに、勇馬くんは優しく声をかけてはたくさんいろいろ話すけど、何かもらったり、してくれたのは未だにない。
「…そ、それでも私は勇馬くんと付き合って嬉しいもん……!」
本当はわかっていたのかもしれない。
でも、きっと勇馬くんは私のことを大切に思ってくれてるって信じたかった。
だけど……。
徹「…本当……素直じゃないね。…じゃあ最後にいいもの見せてあげる。」
そう言って徹はスマホを出して何回かの写真をまとめて見せた。
そこには……
勇馬くんが他の女の子と一緒にいたりする写真。だった。
徹「わかる?鈴木のやつ朱鳥以外にも他に彼女作ってるんだよ?…たぶん他校にもいるんじゃないかな?……朱鳥もたくさんいるセフレの一人としか思われてないんじゃない?」
突き詰められた事実に私は言葉を失った。