第70章 忘れない約束〈花巻貴大〉
そしたらバランスを崩して、ベッドに朱鳥を下に倒れた込んでしまった。
「…っいた………もう花、何する………!!」
馬乗りになった俺を見て朱鳥は口を閉ざした。
それはきっと、倒れた弾みで制服の隙間から出てきたこのネックレスのせいだ。
日頃は制服の中に隠していたネックレスには朱鳥のスマホに付いているキーホルダーと同じ星形のチャームが付いている。
「……ずっと付けてたよ。……ただ、毎日付けているうちに壊れて、それからはこうしてこのチェーンに通してネックレスみたいにして付けてたんだ。ただ学校ではまずいから、制服の中にしまっといてるんだけど。」
「じゃ…じゃあ花は私のこと……。」
そう説明すると朱鳥は目を見開いて言った。
花「…今でも好きだよ。この18年間…ずっと。」
やっと想いを告げられたと思ったら。朱鳥がポロポロと涙を流していた。
花「…って…何泣いてるんだよ…?」
「だ、だって嬉しくて……。私だけじゃ無かったんだなって……。」
花「ごめんな……不安にさせちまって。」
必死に涙を拭いて答えているのを見て俺は謝った。
「……ううん。……私も勘違いしてたし…もういいよ。」
涙を流しながら嬉しそうに笑う朱鳥を見て、俺は言った。
花「…朱鳥…俺、マジでお前のとこ好き。…昔から全部。」
「私もだよ、花……。」
微笑んだ朱鳥と俺は少し見つめ合ってから、
優しいキスをした。