第70章 忘れない約束〈花巻貴大〉
その後、まぁ流れで?
朱鳥とヤっちまって、気がついたら夜になっていた。
「ねぇ、家とか連絡しなくていいの?」
掛け布団と俺に包まれながら心配そうに朱鳥が聞いてきた。
花「へーき。今日は出張と夜勤で親いないから。」
本当ラッキーだった。これで親がいたりしたら、絶対怪しまれるしから。
「そうなんだ。じゃあ……朝まで一緒にいられるんだ……。」
朱鳥はそう俺の腕の中で微笑んだ。
その言葉はスゲー嬉しいけどそう言うことをサラっと言う朱鳥にドキッてしまう。
「ねぇ……私が一人でこっちに戻ってきた理由ってね、花と同じ大学に行きたかったからなんだ。」
なんとなく、そんな気はしていた。
というよりはそうだったら、超嬉しいって思ってた。
花「マジで?スゲー嬉しいわ、それ。」
「でしょ?」
花「…ところでさ、その"花"って呼び方そろそろやめねぇ?」
「え?イヤだった?」
それにちょっと困った顔をする朱鳥。
花「いや、そーじゃなくて。……同じ名字になるのにその呼び方じゃ変だろ?」
"同じ名字になる"まぁ普通わかるよな。
簡単に言うと遠回しのプロポーズ。
「っ!!そ、それって……!」
花「ま、そう言うこと。」
驚きを隠せない朱鳥を見て軽く頭を撫でて言った。
「嬉しい……!ありがとう!貴大…!!」
朱鳥は嬉しさのあまり、少し涙を泣かして俺の名前を呼んでくれた。
-忘れない約束-
END