第70章 忘れない約束〈花巻貴大〉
「それ、懐かしいでしょ?」
振り向けば半袖半パンで濡れた髪を拭く朱鳥が立っていた。
それがちょっとエロっぽくて視線を反らした。
花「お、おう、朱鳥あがったのか?」
「うん。」
朱鳥はそう言って俺の横に座った。
そして、朱鳥は俺が触ろうとした、スマホのキーホルダーを手に取ると語り出した。
「ねぇ、覚えてる?私が引っ越すときにした約束。
もし、いつか再会して、お互い好きでいたら……「付き合う」」
そう、俺たちは朱鳥が引っ越すまで両思いでしかも、それをお互い知っていた。
だけどその時はまだ小学生のガキだったからちゃんと付き合ったことはなかった。
だから、別れる時にそんな約束をした。
「よかった。約束は覚えてたんだ。でも、花はもう私のこと何とも思ってないんでしょ?」