第69章 恋の花はいつの間にか〈矢巾秀〉
保健室に連れてきて寝かせてから少したった頃。
「………う…ん……。」
矢「あ、気が付いた?」
「…や…はば……くん……?」
その子はまだどういう状況なのか理解してないようだった。
矢「ゴメン…俺がぶつかったせいで……。一応保健の先生に見てもらってちょっと頭打ったぐらいだから少し休めば帰っていいって。」
「そう…なんだ。…矢巾くんがずっと観ててくれたの?」
矢「…あ…まぁ。俺が原因だしさ…心配だし。」
「ありがとう。優しいんだね。」
その笑顔に俺は胸を打たれた。
そして、
「っ……!あのさ!黒羽さん!おれ、君のことが好きなんだけど、付き合ってくれない!?」
つい、そう口走ってしまった。