第69章 恋の花はいつの間にか〈矢巾秀〉
その後、相手の学校が帰ってから、部活は続いていた。
試合には勝ったけど、三年生が抜けたばかりのこのチームはまだまだということから。
だけど、俺はもうやる気がでなく、部活に集中してなかった。
渡「おーい矢巾ー!ボール行ったぞー!!」
矢「あ、わーりぃー!!」
渡の声に俺はハッとして、ボールを返そうとボールを追い手を伸ばしたとき、目の前にあの子が……
黒羽さんが現れた。
渡「うわっ!!!」
「きゃっ!!」
俺たちはぶつかってしまった。
矢「いって……ってあ、ごめん、大丈……。」
そう自分の頭を撫でながら黒羽さんはその場に倒れたまま動かない。
矢「え……ちょ……黒羽さん?!」
「……ん……。」
慌てて声をかけるとそう唸った。
どうやら気失ったみたいで少しホッとした。
渡「矢巾、とりあえず保健室連れていったら?」
矢「あ、あぁ…そうだよな。」
俺はその子を抱えて保健室に連れていった。