第68章 届け、私の想い！〈月島蛍〉

何が起こっているのかすぐにはわからなかった。


目の前には蛍の顔があって、唇が重なって……。


そしてようやく理解した。

私……蛍とキスしている……。



蛍「僕の好きな人って………朱鳥のことなんだよ？」



そして、また思いがけない言葉が蛍の口が聞かされた。


「……え？……な、だって、好きな人誰かって聞いたとき、教えてくれなかったじゃん……！？」


私は訳がわからなく、パニクった。



蛍「本人に向かって"君がすきなんだよ"なんて言えるわけ無いデショ。
…でもまさか朱鳥も僕のこと好きだったなんて…。気づいていないのはお互い様だったってことだね。」


蛍の冷静な言葉に私も少しずつ落ち着きを取り戻した。



「…そうだね……。もっと早く言えばよかった。

そうすれば、恋人らしい思い出少しは作れたのにね……。」



それでも、私が引っ越すことは変わらない悲しい現実だった。