第68章 届け、私の想い!〈月島蛍〉
*朱鳥
最後の荷物を車に乗せ自分も親の運転する車に乗り込もうとしたとき、
私を呼ぶ声がした。
振り向けばそこには
蛍が立っていた。
そして、私を見つけるなり、少し早歩きで私の方へに向かってきた。
それは少し怒ってるように見えて…。
「あ……蛍。…もう手紙読んじゃったんだ。……えっと何て言うか…ごめんね引っ越すこと言わなくて………でも……。」
必死に謝っていたら、蛍は私の前に来るとそのまま私を抱きしめた。
「け、蛍…?!」
蛍「引っ越すこと黙っていたのも怒ってるけど、今は何勝手に告白して、いなくなろうとしてるってことに腹立ててるんだけど。」
「…え…?」
私は抱きしめたまま蛍の腕の中で話を聞いていた。
蛍「自分だけ告白して僕の返事も聞かないなんて、どういうつもりなの?」
「…だ、だって蛍、好きな人いるって言ってたじゃん……。フラれるってわかってるのに返事聞いても意味ないじゃん…。」
私はそう言いながら涙を流した。
蛍「……本当、君ってバカだね。」