第68章 届け、私の想い!〈月島蛍〉
*蛍
-一週間後-
蛍「ただいま。」
母「あ、お帰り。」
僕は休日の部活を終えて家に帰った。
そしたらリビングのテーブルに四角い箱と手紙が置いてあった。
蛍「何これ?」
母「あ、それ朱鳥ちゃんからよ。この間のお礼だって。苺のショートケーキみたいよ。」
そう聞くと母さんは台所で洗い物をしながら答えた。
そういえばそうだ。
朱鳥は何か僕がしてあげたり、誕生日とかの記念日には得意の料理で、こうしてお菓子とかケーキを作っては持ってきてくれてた。
母「でも、残念ね。蛍、朱鳥ちゃんの作るお菓子好きだったのに。」
手紙の封を開けかけたとき、母さんからそんな言葉が聞こえた。
蛍「え?どう言うこと?」
まるで、もう二度と朱鳥の作る物が食べられないみたいな言い方をする。
母「あら、聞いてないの?朱鳥ちゃん、今日引っ越すのよ?」